ギターの役割と、それぞれに必要なテクニックを知っておこう

リサーチ アイキャッチ

「憧れのギターを買って、楽譜も買って、後は練習するだけ」と、意気込んでいるあなた。ちょっと待ってください!

断言します。

ギターの役割と、役割ごとにそれぞれどんなテクニックが必要なのかを知れば、上達スピードがかなり上がります。

「コード・ギターソロ・ソロギター」では、”やること”も”必要なテクニック”も”難易度”も、全然違います。自分に必要なことを知り、まずはそれだけを練習しましょう。的を絞って練習すれば、すぐに出来るようになる事は結構あるので。

僕のように、コードやソロギターに憧れながら「ひたすらギターソロの練習を1年も続ける」という、ムダな回り道を防ぐためにもw

※「これさえ出来れば何でも弾けるようになるはず!」と、ギターを始めて1年位はずっと”GLAYのギターソロ”とメカニカルトレーニングのみ”を続けていました…

ギターで出来ることを知る

ひとことでギターを弾くと言っても、ギターで出来る事は様々。シチュエーションによって求められる役割も変わってきます。

「絵を描く」と言ってもデッサン・油絵・水彩画・抽象画・風景画etc…といった種類がありそれぞれに必要なスキルも難易度も違う様に、ギターでも何をしたいのかによって弾き方はかなり変わってきます。

まずはギターでどんな事ができ、それぞれの役割でどんな技術が必要か、知っておきましょう。

伴奏

分かりやすい例で言うと「コードを弾く」という時が伴奏に当たります。メロディを歌うヴォーカルや楽器のバックで音楽に厚み(豪華さ)を与える効果があります。

ちなみに、ドラムやベースも伴奏の役割を担ってます。

一口にギターで”伴奏”と言っても色々なスタイルがありますが、まず、左手でコードを押さえた弦をまとめて「ジャカジャカ」鳴らす”コードストローク”、左手でコードを押さえつつ一本ずつ鳴らす”アルペジオ”などが、スタンダードなギターの伴奏スタイルです。

シンプルなコード伴奏は、左手の動かし方とリズムに合わせて右手を動かす感覚に慣れるとすぐ弾けるようになります。

メロディ(ギターソロ)

主に弦を一本ずつ鳴らし、主旋律を演奏する弾き方です。伴奏が曲を豪華にする引き立て役だとしたら、メロディ奏者は主役といったところ。

バンド演奏の途中にヴォーカルと代わり、いっとき主旋律を演奏するギターソロが分かりやすい例です。ヴォーカルがいないインストバンドなどでは、時にはずっとギターがメロディを演奏することもあります。

リズムの感覚を身に付けて手が慣れさえすれば、意外と時間はかかりません。

ただ、ギターソロが輝くのは伴奏あってこそ。一生懸命ギターソロだけを弾けるようになってもCDに合わせる位しか楽しめず、もったいないかも…

初心者~中級ギタリストの90%以上が勘違いしてしまう事ですが、ギターソロでは手を動かすスキルよりも、リズムに乗せてメロディを弾けるようになるスキルの方が重要です。

独奏(ソロギター)

伴奏もメロディも同時に一人で弾くスタイル。ギターは伴奏もメロディも同時に演奏できる便利な楽器です。

※管楽器、ヴォーカルなどは時として伴奏の役割に回ることもできますが、伴奏とメロディを同時に演奏する事は、ほぼ不可能です。

伴奏・メロディを別々に弾くよりも少し複雑なテクニックが必要になりますが、基本を押さえれば意外とイケます。

なお、ソロギターの時の伴奏とメロディの弾き方は、それぞれを別々に弾く時と若干スタイルが異なります。

やりたい事に必要なスキルを知る

伴奏・メロディ・独奏といった区別の他に、やりたいジャンルやりたいジャンルやスタイルによっても難易度や必要なスキルは変わります。

僕は初心者の頃「一つの事をずっと突き詰めれば色々な事ができるようになるはず!」と勘違いし、ソロギターに憧れつつも数年間ほとんどギターソロの練習に費やした苦い過去がありますw

本当に、目的を絞って的確に練習をすれば大体のことはすぐ弾けるようにななるんですが…思い込みって本当にもったいない!

ポイント絞って一ヶ月本気で向き合ったら、マジで大抵のことは出来るようになるぞ!

ていうか、一週間で出来るようになるような事の方が多いです…

歌の伴奏・弾き語り

難しそうに思えて、意外とすぐ弾けるようになりますよ~

  • タブ譜とダイアグラムの見方を覚える
  • 必要なコードを覚える
  • 4拍子、3拍子の感覚を身につける
  • 1つでもいいので一定のリズムパターンを身につける
  • 間違えても止まらず弾くクセを身につける

これさえできればOK!

  • 一つ一つの音をしっかり鳴らせるようになる
  • 複雑なリズムのストロークをできるようになる

っていうのは少し難しく、まずは気にしない事が上達のヒケツです。歌いながら弾くっていうのは慣れw

ただ、ある程度弾けるようになる前から歌とギター両方同時に練習する「マルチタスク」は効率が悪いので(科学的に証明されています)、まずはギターをスムーズに弾けるようになるまで練習してから、歌も合わせ始めるっていうのがいいと思います!

ハードコアやパンクバンドの伴奏

これはカンタン!ソロがある曲だったり、特殊奏法がある曲じゃなければすぐ弾けるようになる曲が多いです。

  • パワーコードを覚える
  • CDEFGAB=ドレミファソラシド、を暗記する
  • 4拍子の感覚を身につける(このジャンルは3拍子があまり出てこない。ただ、3拍子もできればベター)
  • 規則正しい右手のストロークを身につける
  • ブリッジミュートを身につける

以上の事さえできれば、CDに合わせて弾いたりバンドと合わせて弾くのもすぐ出来るようになると思いますよ~

※パワーコードとは、超簡単なカタチのコード。一個カタチを覚えれば、場所をずらすだけで全てのコードに対応できるようになります。

※CDEFGABはドレミファソラシドの英語バージョン。Cが「ド」で、Gが「ソ」っていう感じです。ちなみにドレミ~はイタリア語。

ここで問題!ハニホヘトイロは何語のドレミでしょうか?答えはググってね♪

ファンクバンドの伴奏

ファンクはグルーヴ命!難しいコードを知らなくても省略形のシンプルなコードを使うことが多いので、リズム感を鍛えれば対応できる曲も沢山あります。

  • リズムパターンを体で覚える
  • 規則正しい右手のストロークを習得する
  • カンタンなコードフォームで乗り切れる曲を探す
  • 左手の余弦ミュートをできるようになる

ここを押さえれば、とりあえずでもファンクの曲は弾けちゃうかもしれません。

ただ「どうしてもファンクが弾きたい」のではなく「ギターで色んな事を出来るようになりたい」人は、最初はコードストロークの練習などで手の動かし方や楽譜の読み方に慣れていた方がいいと思います!

ロックやポップスバンド

ロックやポップス系の曲は、コードを崩して弾いたり・所々リフ(ソロと伴奏の間のような弾き方)があったり・ギターソロがあったりと、一筋縄ではいかない曲が多いです。

一緒に練習できるバンドがいて、自分が何を弾けばいいか明確な場合はひたすら練習できますが、そうじゃなければ難しい所。

何を弾きたいのかによって必要な事がかなり変わるんですが…

  • タブ譜をリズムの部分まで読めるようになる
  • 拍子の理解をする(4拍子・3拍子以外にも出てくる事があります)
  • リズムを頭で理解し、身体でも弾けるようにする
  • 柔軟に手が動く

以上のような事は出来てた方が、やりやすいんじゃないかなと思います。

ロックやポップスはオリジナリティ重視で、同じコード進行でもアーティストによって弾き方が違う事がよくあります。

弾き語りで使うコードストロークや、パンク系で使うパワーコードは色んなジャンルに応用しやすく、一度覚えたことを他の曲でも使いやすいんですが、ロック系のリフを覚えたから他で使えるかというと…

指を動かす練習にはなりますが、それをそのまま使える場面は少ないと思ってた方がいいと思います。

じゃあロック系のリフや特殊奏法を練習するのは無駄なのかと言うと、そうではありません。長い目で見た時に必ず役に立つ部分はあります。無駄な事なんて絶対にありません。ただ、応用しにくいかなぁ~。

「このアーティストが好きだ!」「これを弾けるようになる為にギターを始めたんだ!」という訳じゃなく、「効率的に上達してある程度の事はすぐ弾けるようになりたい」という方には…

まず弾き語りのコードやパワーコードで伴奏に慣れつつ、好きな曲の(ロックやポップス系でOK!)カンタンなギターソロの部分だけ抜き出して練習をする、という形がオススメです。

指の動かし方やタブ譜の見方にある程度慣れると、ソロギターもすぐ弾けるようになるゾ!

ブルースギタリストになりたい

ブルースギタリストに弟子入りして、一つ一つの技をマスターしていくのが一番の近道ですw

ブルースで使われるコード進行の型はほとんど決まっているので、まずはそれを覚える事が重要です。シンプルなブルースは3つのコード進行で成り立っている曲が無数にあります。

  • E7/A7/B7
  • A7/D7/E7
  • C7/F7/G7

など。これらのコードでできた12小節の曲を…

延々と繰り返しながら歌ったり・ギターソロを弾いたり・手の混んだ伴奏を披露したりするのがブルースの基本的な型です。

あとは「マイナーペンタトニックスケールという音階を覚えて、その音階の音を自由に組み合わせてメロディを作れる」事がブルースプレイヤーの必須スキルになるかなぁと思います。

ジャズ

ムズいっすw

ギターでちゃんとしたジャズをやろうと思ったら、10年くらい覚悟してから始めた方が、焦らなくていいかなぁと言うのが個人的な意見ですが…

ジャズのリズムだったり雰囲気が好きで、それっぽい雰囲気のものを弾きたい時には

  • ジャズ特有のコードを覚える(4和音やテンションコード・専用の省略コードなど)
  • スウィングのリズムを身につける

この2つを意識すればジャズの伴奏を形だけでも楽しめますよ♪

また「ジャズの雰囲気の音を鳴らしたい」と「ジャズをやりたい」では意味合いが相当変わってくるので、興味がある方はその辺から調べてみるといいと思います。

「ジャズの雰囲気の音を鳴らしたい」は、すぐできるようになりまーす♪

一人でカッコよく弾きたい

”ギタリストあるある”だと思うんですが…ギターを渡されて「なんか弾いてよ」ってムチャクチャ怖い言葉なんですw

ギターは独奏ができる楽器なんですが、一人でゴージャスな演奏がしやすいピアノと違い、独奏するには結構なコツがいる楽器なんです。

ちなみに混同しやすいんですが…ギター界では間奏中にギターでメロディを弾くことを「ギターソロ」、一人で伴奏とメロディを同時にこなす独奏を「ソロギター」と呼ぶことが多いです。ややこしいですねw

一人でカッコよく弾くコツは

  • 選曲!(短く・カンタンで・サマになる曲選びが大事!)
  • 始め方と終わり方をしっかり決めておく

これに尽きます。

自分一人で弾く時も、人前で披露する時も、できるだけ簡単で美しい(カッコいい)曲を選ぶようにしてみてください!がんばって探せば、初心者でも弾けるソロギターの曲って意外とあるものです。(探すのが大変ですが、ここに時間と労力をかけるのが大事!)

個人的には、

  • 難しい曲を一年かけて何とか弾けるようになる

よりも、

  • 一週間かけて自分の難易度に合った曲を探し、一ヶ月で弾けるようになる

スタイルの方が、楽しいギターライフを送りやすく、上達も早いんじゃないかなと思っています。

自分の腕前に合わせた弾き方さえすれば、すぐ弾ける

僕がギターを始めた19年前、今弾けと言われても難しいような事に「努力すれば弾ける!」と向き合い、よくドツボにハマってましたw

「努力すればできる」は僕もそう思うんですが、努力の度合いも様々で…数10時間で出来る事もあれば、数100時間、時には1000時間位費やさないと出来ない事もあると思うんです。

僕がギターを始めた頃は「これを弾きたい!」と、”頑な”になる事が多かったんですが、今思えば「このやり方しか知らない」「他の素敵な選択肢を知らない」だけで、半ばヤケクソだったと思うんです…w

19年前の僕に向けて届けるような気持ちで、「こうすれば初心者でも、もっとギターを楽しめる」と思う事を書いてみます。何かしら参考になれば嬉しいです。

完コピではなく、自分流にアレンジ!

僕、GLAYが大好きでバンドスコアを買い漁り、選んだ一曲目のイントロとギターソロの最初で撃沈してましたw

最初の頃は、ひたすらそれの繰り返し…w

バンドスコアには必ずコードが載っています。伴奏の時は、弾き語りの時に使うコードを覚えて、まずはそのまま適用してみましょう。

リズムを工夫してみたり(自分ができる範囲の中で自分流にアレンジ!)、ストロークを工夫する(ダウンだけで弾いてみたり、ブリッジミュートを入れてみたり)だけで、かなりそれっぽい演奏が出来るようになるハズです。

パワーコードも相当使えるので、チャレンジする事をオススメします!

そんな感じである程度やり過ごしてから、自分が好きなリフの部分であったりギターソロの部分であったりをコピーしてみるのがいいと思います。(こだわりがない場合は、全部上の方法でやり過ごしてもオッケー♪)

FやBなどのバレーコードが出てこない曲を選ぶ

コード伴奏の話。最初はバレーコードが弾けなくても全然OK!

片っ端から楽譜をチェックして、難しいコードが出てこない楽譜を探しましょう。最近は「コード3つだけで弾ける」「全曲バレーコード無し」「簡単アレンジしたコードのみ」といった楽譜もあるので、カンタンな曲は見つけやすいはず♪

※バレーコードというのは、左手の一つの指(主に人差し指)で複数の弦を押さえる形のコードの事。一つの指で複数の弦を押さえる事を「セーハ」とも言います。

※専門用語を使いますが…キーが「G」の曲は、バレーコード無しの時がたまにあります。参考までに。

キーがCで統一された楽譜を準備する

音楽用語でキーというのは、どの音を中心に考えるか、というような事。詳しい説明はまた今度…

キーが同じであれば使われるコードは大体決まってくるので、曲が変わっても慣れたコードが出てくる割合がかなり高いです。

「全曲キーがC」っていうギター用の楽譜もあるので探してみて下さい♪

TAB譜がある曲を選ぶ

ギタリストの大多数はおたまじゃくしの五線譜が読めませんw

ギター専用のタブ譜というものが普及しているからです。タブ譜は細かいルールが分からなくても、直感的に押さえる場所が分かる便利な楽譜です。ちなみに、プロのギタリストでも五線譜が読めないって言う人はいます。(マジで)

自分が弾きたい曲が見つかったらまず、タブ譜の楽譜がないか探してみましょう。

ちなみに、クラシックのギタリストとポピュラー系のギタリストは全くの別人種。クラシックギタリストはまず五線譜の理解から始まると思いますが、ポピュラー系のギターを弾きたい人はとりあえず、五線譜の理解は飛ばしておいて構いません!

※タブ譜で押さえる場所を読み取れるようになったらどのくらい音の長さを伸ばせばいいのか、リズム面の意味も読み取れるようになっておきましょう。ちょっとしたルールを覚えなきゃいけませんが、ものすごく大事です。

ソロギターも簡単な楽譜だったらすぐ弾けるようになる

伴奏とメロディを一緒に弾くソロギター

音色や弾いている人の手の動きを見ると「ムリムリムリ!」と思いがちですが、初心者でも弾けるようなソロギター楽譜は曲にこだわらなければ、多数存在します。

一人で「ポロン、ポロン♪」とギターをつま弾けたら、ものすごく気持ちが良くて世界が変わるので、早いうちから簡単なソロギターにチャレンジするのは超オススメです!

まとめ

ギターを楽しめるレベルなんて、才能なんて関係なく誰でも到達できます。マジで!沢山の人を見てきたから、大丈夫。

コチラの記事も読んでいただきたいです↓

はじめに

沢山のリサーチで正しい情報を得て、自分なりの努力を無理なく続けましょう。続ければ、始めた頃には夢だったような事が必ずできるようになりますよ。応援しています!

楽しいギターライフを♪