1-5-2 家族

家も居心地のいい場所では無くなった。

母親とはよく口論をしていた。

妹と弟たちの事は全く思いやることもなく、ひどい兄貴だったと思う。

古くて狭い木造の一軒家に家族4人で住んでいたが、僕だけ一人部屋を与えてもらっていた。

それなのに、それを当然の事のように受けとってやりたい放題。

気に入らないことがあれば壁を殴る。家具を壊す。

おかげで家の壁やふすまはボロボロだ。

妹と弟を殴るのも当たり前。

夜中に遊びに出かけたかと思えば、時間関係なく悪友や女の子を家に連れこみ騒ぎまくる。

同じような環境で育ったにも関わらずマジメに生活していた妹と弟には、今考えても本当に申し訳ないことをしたと思っている。

いま気づいた。

それなのに、彼らの口から僕の悪口を聞いたことがない。

本当にあの二人は立派だと思う。

それに引き換え僕は、自分の辛さや弱さを全部両親のせいにして、ひねくれまくった。