ギターを始めたばかりの初心者の内は、出来ないことが多くて挫折しそうになる人も多いかもしれません。
あと少しで出来るようになるのに、その直前で諦めてしまう人も少なくありません。
しかし、上達は意外と早いもの。
特に、ギターを始めたばかりで取り組むコードなんて、ある程度気合を入れて練習すれば数十時間で弾けるようになるんです。
正解が分からない中黙々と頑張っている人のために、それぞれのテクニックでどのくらい練習すれば習得できるか練習時間の目安を紹介させてもらいます。
僕はギター歴20年、元大手音楽教室ギター講師、数十人の初心者が弾けるようになるのを見てきたので、ある程度信頼できる数字じゃないかと思います!
目次
コード習得までには40時間必要です
今から詳しく説明していきますが、コードをある程度弾きこなせるようになるには合計で40時間くらいの時間が必要です。
- オープンコードに6時間
- Fコード(バレーコード習得)に5時間
- ストロークに20時間
- アルペジオに6時間
これをそのまま足すと37時間になるんですが、40時間ということで。
毎日弾くとして、一日1.5時間ずつ取り組めば1ヶ月以内でかなりの成果が望めます。
では今から、それぞれの練習内容と所要時間について解説していきます。
「C」や「G」などオープンコードを弾けるようになるまで【約5~6時間】
まずはコードの基本、オープンコードです。
EmやAmなどの超カンタンなコードは、2~3時間位しっかりと練習すれば弾けるようになると思うので「C」や「G」からにします!
「スムーズにコードチェンジができるようになるまで」を目安として紹介します。
- コードダイアグラムを見て指の形を作れるようになる(15分~1時間)
- コードネームと指の形を覚える(2時間)
- コードチェンジで指の形を追いつかせる(1時間)
- コードチェンジである程度途切れずに音を鳴らせるようになる(2時間)
- コードチェンジしながらコードをきれいに鳴らせるようになる(2~5時間)
コードダイアグラムを見て指の形を作れるようになる(15分~1時間)
- 音は鳴らなくてOK
- 時間かかってOK
とりあえず、ダイアグラム通りに指の形を作れるようになる事が最初の目標です。コードごとの指使いに気をつければ、少しずつ楽に押さえれるようになります。
覚えなくてOKです。まずは指を動かせるようになりましょう。
カンタンなコードは、見ただけで押さえれるものもあると思います。「C」や「G」も焦らなければ、1時間位で形は作れるようになるはず。
コードネームと指の形を覚える(2時間)
- 音は鳴らなくてOK
- コードチェンジできなくてもOK
- コードを見て、押さえる形を思い浮かべれればOK
コードネームと指の形をリンクさせましょう。完璧に覚えれなくても、ダイアグラムを見てある程度、指の形を作れればOKです。
一つのコードをずっと練習するよりも、いくつかのコードを切り替えながら、同時進行で覚えた方が記憶の定着率が高まります。
3~5個のコードを覚えるのに約2時間位みておきましょう。また、記憶は忘れてから思い出す時に定着するので、こまめに練習するのも有効です。
コードチェンジで指の形を追いつかせる(1時間)
- きれいな音を目指さない
- 完璧に押さえることを目指さない
- 仕上がりよりも、間に合わせることを優先
ギターを始めた段階でいきなりこれをしようとすると、かなり難しく感じます。でも、上の2ステップをやってから取り組むと、そこまで難しくは感じないはず。
大事なことは、とにかく間に合わせることを優先して、音は40%、指の形は60%の仕上がり位で合格点にすること。
最初の内は2小節や4小節でコードチェンジ、慣れてきてから1小節や2拍でコードを切り替えるようにしましょう。この部分を1時間も練習すれば、ある程度指が追いついてくるはずです。
6弦や5弦の低音弦から押さえるようにするのがポイントです。
音が途切れたり、指が追いつかなくてもOK。
それよりも「止めない」「スピードを変えない」を意識すると、上達スピードが上がります。
コードチェンジである程度途切れずに音を鳴らせるようになる(2時間)
- この時点で、まだキレイな響きは求めないほうがいいです
指が追いついてきたら、コードチェンジの合間で音が途切れない事を目指しましょう。6弦全ての音をキレイにならすというよりも、「途中で止まらない」「無音状態を無くす」くらいを目安にしてください。
50%の仕上がりで、止めずにどんどん進みましょう。
この時点では、まだキレイな響きを求めないほうが上達が早いです。
ここを意識して2時間も練習すれば、コードチェンジはかなりスムーズに弾けるようになるはずです。
ちなみに、伴奏というのはリズムが大事なので、コードチェンジはこのレベルを合格点にしておいてもOKです。
コードチェンジしながらコードをきれいに鳴らせるようになる(2~5時間)
これは少し難しいので、気長に成果が出るのを待つ方がいいかもしれません。
一応、目安時間を紹介しましたが、場合によってはもっと長い期間が必要になるかもしれないので、キレイな音が鳴らないからといって悲観しないで下さい。
ギターの状態や弦高、弦の太さによっても鳴らしやすさが変わります。
あまり完璧にこだわり過ぎないことがギターを楽しむ&上達の秘訣ですが、どうしても気になる時は
- 親指や肘の位置、角度などのフォーム
- 弦を押さえる場所
- 弦を押さえる指の部位
を意識するといいと思います。
Fコードを弾けるようになるまで【上の手順+2時間】
- コードダイアグラムを見て指の形を作れるようになる
- コードネームと指の形を覚える
- コードチェンジで指の形を追いつかせる
ここまでは、基本的に上の「C」や「G」のオープンコードと同じ手順です。
そして「F」に辿り着くまでに地道に練習をしていれば、形を押さえるのにはそれまでほど苦労をしないと思います。
「F」でみんなが気になるポイントは「音をキレイに鳴らせるようになること」ですが、響きを意識するあまり、上の1~3を適当にしないことが最大のポイント。
「音がぜんぜんならない!」とマイナス面にフォーカスせずに、まずは基本的な手順をしっかり実践しましょう。1~3の手順に取り組んでいれば、少しずつ音が鳴り始めます。
フォームを意識しながら、押さえて離しての繰り返し(2時間)
「F」攻略のコツは
- 親指と肘の位置
- フォーム
- 力を入れる場所
- 弦を押さえる場所
なんですが、ギターの状態によってかなり鳴りやすさが変わってきます。
僕自身、弦高が高く、弦が太いアコギで何ヶ月練習しても音が鳴らなかったのに、エレキに変えた途端、一瞬でキレイな音が鳴った経験があります。
個人的には「2時間位みっちり練習して、あとは適度にやり過ごしておけばいつか鳴り始める」というくらいの気持ちで取り組むと、上達が早まる気がしていますw
カッコいいリズムでストロークを弾けるまで【20時間】
コードをある程度(ホントにある程度でOK)押さえれるようになったら、次はストロークを習得しましょう。
※コードの練習をしながら並行してストロークの練習をしてもOK
誰でも時間をかければスグに到達できる「16分音符のストローク」までの練習時間の目安を紹介します。
- 拍子記号と拍子の意味を理解する(2時間)
- 4分音符と4分休符の組み合わせを弾けるようになる(3時間)
- 4分音符と8分音符の組み合わせをオルタネイトピッキングで弾けるようになる(5時間)
- 8分音符のシンコペーションを正確なオルタネイトピッキングで弾けるようになる(3時間)
- 16分音符をオルタネイトピッキングで理解する(2時間)
- 16分音符をオルタネイトピッキングで弾けるようになる(5時間)
拍子記号と拍子の意味を理解する(2時間)
まずは、コードを弾くのに最低限のリズムの基本を知っておきましょう。拍子の概念は、コードを完璧に押さえることよりも大事なポイントなので是非チェックを!
小学生でも理解できる範囲なので、調べてみて下さい!
4分音符と4分休符の組み合わせを弾けるようになる(3時間)
4分音符単位でリズムをコントロール出来るようになっておきましょう。4分音符は全てのリズムの基本なので、完全必修科目です!
音を出すタイミング、音の長さ(音を切るタイミング)、休符まで完全にコントロールを目指しましょう。
出来る人はスグできるんですが、人によっては意外と難しいところ。
でも、焦らずに丁寧に、確実に取り組むことが大切です。
4分音符と8分音符の組み合わせをオルタネイトピッキングで弾けるようになる(5時間)
ダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを規則正しく交互に繰り返す「オルタネイトピッキング」もギタリストの絶対必修科目です。
これが出来ないと、この先全てのリズム(コードでもソロでも)が台無しになるので、必ず身につけて下さい。
このシンプルな段階で徹底的に「オルタネイトピッキング」を身に刻むこと。よって、ここは多めの5時間をかけて丁寧に習得することが大切です!
マジで!
8分音符のシンコペーションを正確なオルタネイトピッキングで弾けるようになる(3時間)
「オルタネイトピッキング」を身に付けた後に、シンコペーションを攻略します。
「オルタネイトピッキング」がある程度身に付いていれば、それほど難しくないかもしれませんが、気を抜くとここでピッキングが乱れ、変な癖が付き後々苦労することになります。
「オルタネイトピッキング」をしっかり意識して、規則正しいリズムを刻めるようになりましょう。
今まで丁寧に進めてきて、ここで3時間練習すればかなり身に付くはず。
16分音符をオルタネイトピッキングで理解する(2時間)
16分音符でも「オルタネイトピッキング」を適用します。
8分音符の時とパターンが変わりますが、丁寧に正しい腕の振り方を理解しておきましょう。
2時間位かけて焦らず取り組めば、この後も混乱しない基礎が身に付くと思います。
16分音符をオルタネイトピッキングで弾けるようになる(5時間)
シンコペーションも含めたリズムを「オルタネイトピッキング」で規則正しく弾けるようになれば、とりあえずコードで怖いものは無くなるはずです。
- まずはシンコペーション無しの16分音符
- シンコペーション有りの16分音符
の順で。
何も基礎が出来てない状態でここの項目をやろうとすると、かなり難易度が高く、不可能のように感じてしまう人もいるんですが…
この記事で説明した順で丁寧に取り組んでいれば、ここも5時間位練習をすればある程度弾きこなせるようになるはずです。
ちなみに、練習はぶっ通しで5時間をやるよりも、毎日1時間ずつ取り組む方が高い効果と習得率になります。(脳科学的に実証済み)
アルペジオをつま弾けるようになるまで
コードとリズムを丁寧に習得していれば、アルペジオの練習は屁でもないかもしれません。いきなりここから始めると難しいけど…
リズムがある程度身に付いていれば、アルペジオで必要なスキルは右手の筋力と動かし方。
ある程度、反復をすればすぐ身に付くのでコツコツと取り組みましょう。
- 「F」コードを含むコードを押さえれるようになる(10時間)
- 8分音符で順に動かすパターンに慣れる(2時間)
- 8分音符で色々なパターンに慣れる(2時間)
- 16分音符で色々なパターンに慣れる(2時間)
「F」コードを含むコードを押さえれるようになる(10時間)
最初の部分で紹介したコードの復習です。
アルペジオを始めるときには、ある程度左手の動かし方に慣れておきましょう。
8分音符で順に動かすパターンに慣れる(2時間)
- 親指→人差し指→中指→薬指
- 親指→薬指→中指→人差し指
の基本パターンに慣れましょう。
最初は少しぎこちなく感じるかもしれませんが、2時間も反復していればスムーズに弾けるようになるレベルです。
8分音符で色々なパターンに慣れる(2時間)
基本パターンで指の動かし方に慣れた後は、色々なパターンに慣れましょう。
全てのパターンに取り組むともっと時間がかかるんですが、数パターンを2時間位弾き込めば、他のパターンでもスムーズに手が動くようになるはずです。
16分音符で色々なパターンに慣れる(2時間)
最後に16分音符のアルペジオの習得です。
コードストロークで16分音符を弾こうと思ったら結構難しいんですが、アルペジオの場合は一回音を聴いてしまえばスムーズに弾けるはず。
数パターンで2時間くらい反復練習しておけば、他のパターンにも対応できる基礎は身に付くと思います!
まとめ
難しく長く感じる道のりも、順序と目安の時間が分かれば意外とラクに突き進めるもの。
ただし、無理なショートカットをしようとしたり、一見効率がよく楽に見える道を進もうとしても、逆にかなりの時間がかかってしまいます。
目の前の階段を一歩一歩、確実に登っていきましょう。
質問があれば何でも気軽に連絡して下さい。
応援しています!
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