「才能は生まれつきではない」
という信念の元、
戦前から現代にかけて、沢山の天才音楽家を生み出した指導者がいます。
スズキ・メソードという、全世界で信頼されている音楽教育法を生み出した「鈴木鎮一」先生です。
その鈴木鎮一先生が晩年に綴ったエッセイ集「愛に生きる」は、音楽家だけでなく、人間の可能性を信じる全ての人に読んでほしい、素晴らしい本です。
読みながら何度も泣いちゃった位、感動した本なので…
魅力を伝えれるように、いろいろ紹介させてもらいます。
目次
スズキ・メソードと本書について
まずは、この本はどういう本なのかの説明と、スズキ・メソードについて紹介させてもらいます。
音楽によって人間の心を豊かにする「スズキ・メソード」
スズキ・メソードとは、全世界に40万人以上も習得者がいる、有名な音楽指導方法の名前で
- さだまさしさん
- 葉加瀬太郎さん
- 久石譲さん
- ヨーヨーマさん
といった、有名な音楽家もスズキ・メソード出身だとか。
そして、その目的は音楽の上達だけではなく…音楽を習得しながら、心を豊かにし、自信をつけ、素晴らしい人間性を育むこと。
戦前から、自身も音楽家として研鑽を続けていた鈴木鎮一先生の、確固たる信念と、長年の経験の中から生み出されました。
以下、ウィキペディアから引用させてもらいます。
スズキ・メソード(英語: Suzuki method)は、音楽を通じて心豊かな人間を育てることを目的とする教育法の一つ。
20世紀の日本のヴァイオリニスト鈴木鎮一によって創始され、日本、アメリカなどで教育活動が展開されている。
主な活動は音楽教育であるが、それが本来の目的ではなく、音楽によって子供の心を豊かにし、自信をつけることにあるとしている。
スズキ・メソードの創始者 鈴木鎮一先生の自伝的エッセイ
この本は、具体的にスズキ・メソードを説明する本ではなく、
- 鈴木鎮一先生の歩んできた道のり
- 信念や、信念が生まれるまでの体験
- スズキ・メソードが生まれるまでの道のり
- 才能についての具体的な根拠と経験を伴った見解
などが綴られたエッセイ集です。
平易な文章で読みやすく、
文の端々から、鈴木先生の愛情や誠実さが伝わってきて、読み進めながら温かい気持ちになれます。
「愛に生きる」の内容紹介
本の内容をカンタンにご紹介。
タイトルだけ見ると、人によっては敬遠してしまいそうな感じなんですが…
誰が読んでも受け入れやすい内容です!
スピリチュアルや宗教的な本では無い
タイトルを一見すると、怪しげなイメージも湧いてくるんですが…
内容はかなり論理的で、体験談や事例を基に作られています。
偉大な芸術家や、沢山の子どもたちと接し、
先生の信念が出来上がるまでが、とても読みやすい文章で綴られています。
能力は生まれつきではない
本の内容は、色々盛り込まれていて一言で語れるものでもないんですが…
個人的にまとめると「才能は育てられるもの。そして育てないと育たない。人間の芯はみな美しく素晴らしいから、愛と根気を持って向き合うことが大切」といったところ。
僕の拙い表現じゃ伝えきれないので…
印象的だった本文中の見出しを、いくつか紹介しておきます。
- 能力は育てるものだ
- 能力は生まれつきではない
- 素晴らしい生命の活動
- 非才を嘆くは愚
- くり返し、くり返せ
- 急ぐな、休むな
- ”勘”もまたつくるもの
- 芸術の魂
- 人間アインシュタイン
- 大いなる愛
- 知るだけでなにになろう
- 思ったら実行せよ
- 新しい能力をつくる
- 記憶能力の訓練
- 遊び心を生かす
- 生命に呼びかける
この他にも、鈴木先生の歩んできた道のりや、有名な音楽家「豊田耕兒」さんとの師弟生活についてのエピソードなども紹介されています。
アインシュタイン博士との交流
鈴木先生は明治生まれ。
エピソードの中で、沢山の偉人との交流エピソードが描かれているんですが…
個人的に、留学時代、アインシュタイン博士に超可愛がられていた、という話が衝撃的でした。
アインシュタイン博士は愛情深く、誠実で立派な人柄だったそうです。
個人的な感想
蛇足になるかもしれませんが、個人的な感想をいくつか…
何度も涙を流しながら読みました
文章の一つ一つから、先生の人間に対する愛情と、人間の可能性を信じる信念が伝わってきて、読みながら何度も泣いてしまいました。
ちなみに、鈴木先生と呼んでいますが…
僕はお会いしたことは無く、スズキ・メソードを受けたこともありませんw
でも、これを読んだだけで心酔してしまうほどの本なんです。
親や教育者・リーダーに勧めたい
「人間の才能は生まれつきではない。育てられ方が大事なんだ。根気を持って、愛情を持って向き合いなさい」
という様なメッセージが、形を変え、何度も何度も出て来ます。
そしてそれは、仮説~実証を経た、先生の経験やエピソードを通して語られます。
こんな考え方を持って人と向き合えば、様々な問題がうまく行くようになるんじゃないかと思うメッセージばかり。
僕も何度も何度も読み、実践するので、この記事を見てくれた人も本を手に取ってもらえたら嬉しいです。
何かを始めるのに遅すぎることはない
スズキ・メソードは幼児教育に重きをおいているので、才能教育は子供じゃないと意味がない、と勘違いしてしまいやすいです。
しかし、本書を丁寧に読み進めて内容をじっくり噛みしめれば、人間の能力や可能性はそんなにヤワじゃなく、「才能を伸ばすのに、年齢は必ずしも関係ない」という事が分かるはずです。
この本を沢山の人が読んで、
希望を持ち、努力と挑戦を続ける大人も増えたらいいな。
ちなみに、ギターを弾くのに年齢はハンデになりません。積み重ねれば必ず弾けるようになるので、希望を持って続けて下さい。
応援しています。
「愛に生きる」の口コミ評価
アマゾンの商品ページに投稿されている口コミを紹介します。
「愛に生きる」はとても評価が高く、24件の口コミを集め、5点満点中「4,5」点と高評価です。
一生に一回は必ず読んでほしい
1966年からこの本のような教育が浸透していれば、日本はもっといい国になっていたかもしれません。
私は40歳近くになってバイオリンを始めました。出来ないことの連続ですが、この本を読んだおかげで救われました。
涙をボロボロ流しながら読みました。
鈴木先生は本当に偉大な、人類の師です。
他にも沢山の口コミや解説が寄せられているので、詳しく知りたい時は商品ページをチェックしてみて下さい。⇛「愛に生きる」Amazonページ
書籍情報
最後に本の詳細を紹介しておきます。
愛に生きる (講談社現代新書) | |
著者 | 鈴木鎮一先生 |
値段 | ¥760+税 |
出版日 | 1996年8月16日 |
ページ数 | 225ページ |
出版社 | 講談社(講談社現代新書) |
本のスタイル | 改行多めの読みやすいエッセイ集 |
アマゾンで安価な中古商品があったりブ、ックオフでもたまに¥100コーナーに置いてあったりするので、手に入れやすいと思います♪
まとめ
ホントにいい本なので、超絶オススメです!
あと、音楽の本ではないですが、同じ「才能は考え方次第でいくらでも伸ばせる」というような良書があるので紹介しておきます。
草思社
売り上げランキング: 622
コメントを残す